次亜塩素酸を加湿器に入れると新型コロナに効くってホント?
追記(6/5)
文部科学省が子どもたちのいる空間で次亜塩素酸水の噴霧をやめるよう通知しました。
新型コロナウイルス対策はしっかりしていますか? マスクの着用や手洗いうがい。
念入りに対策する人はドアノブなどの除菌行う人もいるようですね。
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そんななか、個人だけでなく病院や保育園で「次亜塩素酸水(じあえんそさんすい)」を加湿器に入れて除菌を行う例もあるようです。
今回はこの「次亜塩素酸水」を空気中に噴霧することで本当に効果が得られるのか解説していきます。
次亜塩素酸水ってなに?
次亜塩素酸水とは「次亜塩素酸」というもの主成分にした殺菌料で、日本では食品添加物としても使われています。
塩素という文字がありますがハイターなどとは異なるものです。(ハイターは次亜塩素酸ナトリウムという似て非なる物質です。)
効果はあるの?ないの?
厚生労働省が新型コロナ対策として消毒のために効果があると紹介しているのは「次亜塩素酸ナトリウム」です。ハイターですね。
残念ながら次亜塩素酸水のほうは効果が認められていません。
それでも、この次亜塩素酸水か次亜塩素酸ナトリウムを加湿器入れることにより、なんとなく空気中のコロナやっつけてくれる気がしますよね!科学的に検証されてないだけできっと効くはず!
しかしそうではないんです。
消毒されるためにはウイルスと消毒成分と物質がぶつかり合う必要があります。ハイターを使ってドアノブを拭くことは確かにウイルスと消毒成分がぶつかりあい、消毒されることになります。一方で、加湿器により空気中に噴霧しても空気中という広大な範囲のなかでうまくウイルスぶつかりあうことは難しいと考えられています。例えば湖にボールを2つ浮かべて、波によってうまいことそれらがぶつかるかと言われれば。。。うーんという感じですよね。仮にぶつかっても次亜塩素酸水は新型コロナに有効か確認されていません。
ハイターを加湿器に入れることは絶対にやめくださいね。。
体に害はないの?
次亜塩素酸水も次亜塩素酸ナトリウムも人体には有害な物質です。次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)は手についたら危ないってことで何となくそれが理解できますよね。それと同じく次亜塩素酸水も呼吸器や皮膚に有害なのです。国内でも次亜塩素酸水を噴霧することによって起こった健康被害が報告されています。
ちなみに次亜塩素酸ナトリウムも食品添加物に指定されていますが、次亜塩素酸水とともにわたしたちが口にするときはすでにその成分はなくなっているため、害はないんです。
じゃあどうすれば?
次亜塩素酸水を加湿器に入れても効果がないなどうすればいいんでしょうか。これに関しては今実践している、3密を避ける、マスクの着用、手洗いうがいなどを続けていただければ十分だと思います。新型コロナウイルス対策に目をつけた詐欺まがいの商品があること確かです(濃度の書いていない消毒液など)。こうした混乱のなかでも騙されないよう正しい情報を活用してくださいね。
以上、次亜塩素酸水を加湿器に入れても効果は見込めず、むしろ有害となる可能性があるということをご紹介しました。こういった事例が医師のいる病院だけでなく子どもたちが活動する保育園で行われていたことに非常に驚きました。。。
何となく効きそうだからという安心のために科学的に検証された安全を捨てることはどれだけ危険なのか。今回の記事で一度考えるきっかけになっていただければと思います。