「Go To キャンペーン」「持続化給付金」の委託って何が問題なの?
追記(6/5)
Go To キャンペーンの事務委託に関する公募は一旦中止となりました。一括ではなく、今後は飲食や観光などジャンルごとに分けて公募されるようです。
最近何かと「Go To キャンペーン」「サービスデザイン推進協議会」「委託費」という単語をニュースで聞きますね。
野党の議員からは「委託費が高すぎる!」「なぜ電通に直接委託しないんだ!」という意見も出ています。
さて、このニュースは一体何が問題なのでしょうか。ニュースをあまり見ない人でも分かるように解説します。
まず、話を整理するために覚えていただきたいのは、今回の委託に関する問題は大きく分けて2つ存在しているということです。
1つ目は「持続化給付金」の事務を受託している「サービスデザイン推進協議会」が電通にほぼ丸投げで再委託している問題。
2つ目は「GoToキャンペーン」の委託費が3000億円と見積もられているため、これはちょっと高すぎなんじゃない?と批判されている問題です。
それではそれぞれの話題に分けて簡単に解説します。
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電通への再委託は何が問題?
新型コロナウイルスの影響で売上に影響が出た企業やフリーランス等に対して、給付金を支給する「持続化給付金」という制度がありますね。
これは経済産業省の制度なのですが、経済産業省が直接企業やフリーランスに対してお金を支給するわけではありません。
事務作業のプロである民間事業者に委託するのです。
今回の持続化給付金制度では「サービスデザイン推進協議会」という団体がこの事務作業を担当することになりました。
しかし実際には、サービスデザイン推進協議会は電通にこの事務作業を再委託しており、ほとんどの業務を電通が行うこととなっていたのです。
しかし、再委託を行うことは普通にあることなのです。では何が問題なのか。
決算公告を公表していなかった
問題なのがサービスデザイン推進協議会は決算公告を公表していなかったことです。この決算公告というのは会社法の規定に基づいて公表しなければならないもので、財務状況などが記載されています。
しかし実際問題、中小企業などは公表していない企業もあるのですが、今回のケースでは国から受託している団体にも関わらず法令が遵守されていないのはおかしい。経済産業省はなぜそこまで確認できていないんだ。と批判されているのです。
もちろん再委託そのものも批判されていますが、こちらより決算公告を出していないことのほうが重い気がしますね。
「Go To キャンペーン」委託費問題って?
次に「Go To キャンペーン」の話題に移りましょう。そもそもこの「Go To キャンペーン」というのは新型コロナウイルスの騒動が収束した後に、旅行代金の一部を補助、外食時に使えるクーポンを配布する、といった様々な経済活動を支えるための取組です。
この取組の予算として1兆6000億円もの予算が計上されました。
問題になっているのがこの予算のうち約2割の3000億円が事務費として計上されているのです。
事務費としては高すぎるんじゃないの?
もっと安くできれば国民のために使えるお金が増えるじゃない!と批判されているのです。
しかし、事務費として高すぎなのかは事業によって異なるので一概に高いとは言えません。実際これより問題なのは予算を作る際に考えられたであろう「事務費の積算」が示されていないことです。
通常、予算を作る際は「〇〇人雇って〇〇日働いてもらって~」という予算の積算を考えて作られます。しかし今回はこの積算が示されていないのです。
どう予算が考えられたのかしっかり示せ!
そういう点でも批判されているのですね。
事務費に関わらず、国民の税金を使って払われるのですから、どう使われるのかをしっかり分かるように示していただきたいものです。
まとめ
以上、それぞれの問題について理解できましたか。
どちらも国民の信頼を損ねることのなりかねない問題なのです。こうした政府の対応に注目が寄せられている今だからこそ、国による十分な説明が必要なのではないでしょうか。