【伊藤詩織さん提訴】なぜこのタイミング?発端は?
ジャーナリストの伊藤詩織さんが漫画家のはすみとしこさん(含む3名)を名誉毀損として提訴しました。
Twitterにおける、はすみとしこさんの掲載を巡って起こった今回の提訴ですが、そもそも何が発端だったのか、なぜこのタイミングだったのか分かりやすく解説します。
今回の問題の発端は?
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伊藤詩織さんは、2019年12月に元TBSワシントン支局長である山口敬之から性的暴力を受けたとして刑事訴訟を起こしました。しかし本当に性的暴力が起こったのか十分に証明できないとして不起訴となったのです。
次に伊藤詩織さんは性的暴力により精神的苦痛を受けたとして民事訴訟を起こしました。
今回話題となっている、はすみとしこさんは伊藤詩織さんによるこれら一連の訴訟沙汰を風刺したイラストを自身に掲載したのです(下記リンク掲載)。イラストでは伊藤詩織さんは性的暴力を受けたのではなく、出世を狙った「枕営業」を行ったのだといった内容が書かれています。
もちろんネットではこうしたイラストに対して伊藤詩織さんへの誹謗中傷じゃないかいう意見が多く寄せられました。
しかし、はすみとしこさんは自身のイラストは伊藤詩織さんを書いたものではなくあくまでフィクションだと主張しているのです。
はすみとしこさんイラストhttps://twitter.com/hasumi29430098/status/1207524066124427264?s=19
そこで本日、伊藤詩織さんがこれらのイラストは間違いなく、自身を誹謗中傷したものだとして提訴しました。
また伊藤詩織さんは誹謗中傷したイラストをリツイートした人も提訴対象だとしています。
なんでこのタイミングなの?
伊藤詩織さんを誹謗中傷したとするイラストが掲載された昨年12月から結構な期間が空きました。このタイミングで提訴した理由の一つとして先日の木村花さんの出来事が挙げられると思います。
【テラスハウス問題】ネットは実名化になる?どうなるネット規制 - 適度に適当に
ネットにおける誹謗中傷への対策がより一層重要性を増し、社会からの注目を集める今だからこそ提訴したのではないでしょうか。
はすみとしこさんの主張では掲載したイラストは伊藤詩織さんは関係ないとしていますが、キャラクターの顔立ちや訴訟に関する場面など関連する項目がいくつも見当たり、全く無関係だと主張するのは少々無理がある気がしますね。
今回の出来事に関わらずネットにおける誹謗中傷というのは加害者が思ってる以上に被害者は不安であり恐怖を感じていると思います。
こうした不安や恐怖を取り除くことができるのは国の政策や弁護士ではなく、まずは私たちが加害者になり得ると心がけることではないでしょうか。
【横田滋さん死去】そもそも拉致問題ってなに?
昨日、拉致問題の被害者横田めぐみさんの父親である横田滋(しげる)さんが亡くなられました。
各テレビ局で取り上げられていますが、そもそも拉致問題とは何なのでしょうか。
日本人が北朝鮮に連れて行かれた事件だということは分かるかと思いますが、具体的に何が起きて、日本と北朝鮮はどのような対応をとってきたのか。
こうした点をわかりやすく解説します。
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拉致問題の発端は?
1970年代から1980年代にかけて、多くの日本人が行方不明になりました。日本政府の調査や亡命した北朝鮮人の証言により、これらの行方不明者は北朝鮮に拉致されたことが分かったのです。これが拉致問題の発端です。
北朝鮮による拉致が発覚した後、日本は北朝鮮に対して拉致を認めさせようと何度も話し合い続けました。そして2002年に北朝鮮はようやく拉致したこと認め、5人の拉致被害者が帰国したのです。
しかし、拉致被害者の中には2020年現在も帰国できていない方もいらっしゃいます。そのうち一人が昨日お亡くなりになった横田滋さんの娘さんである横田めぐみさんです。
当初、北朝鮮からは、「横田めぐみさんは既に死亡した」との証言がありました。その証拠として横田めぐみさんの遺骨が日本に送られてきたのです。北朝鮮は現在も横田めぐみさんを含む数人は既に死亡もしくはそもそも北朝鮮に来ていないと主張しています。
しかし、横田めぐみさんの遺骨として送られてきた遺骨をDNA検査すると横田めぐみさんのものではないことが判明しています。
このような北朝鮮の対応に疑わしいことが他にも数多くあるため、拉致被害者は死亡していないのではないか、もし生きているなら、日本に帰国させるよう日本が北朝鮮にずっとはたらきかけているのです。
日本はどんな対応をとっているの?
日本は拉致問題が発覚してから様々なことに取り組んできました。
各国との首脳会談や人権状況決議の提出などにより、拉致問題は日本だけでなく世界に認識されたといえます。
近年ではG7サミットや多国間協議により、一層世界からの支持を得ており、拉致問題対策本部という担当部局も設置されました。
しかし残念ながら未だに横田めぐみさんを含む数人の拉致被害者は帰国できていないのです。
北朝鮮としては拉致被害者を帰国させると様々な情報が日本に漏れるのではないかと心配しているのです。そのため長い間拉致被害者が日本に帰国できていないのです。
まとめ
いかがでしたか。北朝鮮と日本との食い違いがいくつもあり解決が非常に難しい問題なのです。
しかし、解決は難しいと諦めるのではなく、国民一人一人が解決しなければいけない問題であると意識し続けることで、解決に向けた取組が続いていくのではないでしょうか。
拉致被害者であり、帰国を果たした曽我ひとみさんは横田滋さんに「私を救ってくれた」と発言しいましたが、曽我ひとみさんのような拉致被害者を一人でも多く救えるよう、政府は頑張っていただきたいですね。
「Go To キャンペーン」「持続化給付金」の委託って何が問題なの?
追記(6/5)
Go To キャンペーンの事務委託に関する公募は一旦中止となりました。一括ではなく、今後は飲食や観光などジャンルごとに分けて公募されるようです。
最近何かと「Go To キャンペーン」「サービスデザイン推進協議会」「委託費」という単語をニュースで聞きますね。
野党の議員からは「委託費が高すぎる!」「なぜ電通に直接委託しないんだ!」という意見も出ています。
さて、このニュースは一体何が問題なのでしょうか。ニュースをあまり見ない人でも分かるように解説します。
まず、話を整理するために覚えていただきたいのは、今回の委託に関する問題は大きく分けて2つ存在しているということです。
1つ目は「持続化給付金」の事務を受託している「サービスデザイン推進協議会」が電通にほぼ丸投げで再委託している問題。
2つ目は「GoToキャンペーン」の委託費が3000億円と見積もられているため、これはちょっと高すぎなんじゃない?と批判されている問題です。
それではそれぞれの話題に分けて簡単に解説します。
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電通への再委託は何が問題?
新型コロナウイルスの影響で売上に影響が出た企業やフリーランス等に対して、給付金を支給する「持続化給付金」という制度がありますね。
これは経済産業省の制度なのですが、経済産業省が直接企業やフリーランスに対してお金を支給するわけではありません。
事務作業のプロである民間事業者に委託するのです。
今回の持続化給付金制度では「サービスデザイン推進協議会」という団体がこの事務作業を担当することになりました。
しかし実際には、サービスデザイン推進協議会は電通にこの事務作業を再委託しており、ほとんどの業務を電通が行うこととなっていたのです。
しかし、再委託を行うことは普通にあることなのです。では何が問題なのか。
決算公告を公表していなかった
問題なのがサービスデザイン推進協議会は決算公告を公表していなかったことです。この決算公告というのは会社法の規定に基づいて公表しなければならないもので、財務状況などが記載されています。
しかし実際問題、中小企業などは公表していない企業もあるのですが、今回のケースでは国から受託している団体にも関わらず法令が遵守されていないのはおかしい。経済産業省はなぜそこまで確認できていないんだ。と批判されているのです。
もちろん再委託そのものも批判されていますが、こちらより決算公告を出していないことのほうが重い気がしますね。
「Go To キャンペーン」委託費問題って?
次に「Go To キャンペーン」の話題に移りましょう。そもそもこの「Go To キャンペーン」というのは新型コロナウイルスの騒動が収束した後に、旅行代金の一部を補助、外食時に使えるクーポンを配布する、といった様々な経済活動を支えるための取組です。
この取組の予算として1兆6000億円もの予算が計上されました。
問題になっているのがこの予算のうち約2割の3000億円が事務費として計上されているのです。
事務費としては高すぎるんじゃないの?
もっと安くできれば国民のために使えるお金が増えるじゃない!と批判されているのです。
しかし、事務費として高すぎなのかは事業によって異なるので一概に高いとは言えません。実際これより問題なのは予算を作る際に考えられたであろう「事務費の積算」が示されていないことです。
通常、予算を作る際は「〇〇人雇って〇〇日働いてもらって~」という予算の積算を考えて作られます。しかし今回はこの積算が示されていないのです。
どう予算が考えられたのかしっかり示せ!
そういう点でも批判されているのですね。
事務費に関わらず、国民の税金を使って払われるのですから、どう使われるのかをしっかり分かるように示していただきたいものです。
まとめ
以上、それぞれの問題について理解できましたか。
どちらも国民の信頼を損ねることのなりかねない問題なのです。こうした政府の対応に注目が寄せられている今だからこそ、国による十分な説明が必要なのではないでしょうか。
【テラスハウス問題】ネットは実名化になる?どうなるネット規制
先日フジテレビの「テラスハウス」に出演する木村花子さんが自殺により亡くなられました。
原因はご自身のSNSなどに寄せられた誹謗中傷によるものとのことです。
自ら命を断つほど悩まれていたようですね。とても悲しい出来事です。
今後こうした問題が起きないよう、様々な対策が講じられることとなっていますが、どのような対策なのか、我々にどのような影響があるのか解説していきます。
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プロバイダ責任制限法って?
今回の出来事を受けて(以前から検討されていたかと思いますが)改正を検討している法律が「プロバイダ責任制限法」です。
現状の法律だと、誰かに誹謗中傷コメントを書かれた場合、その誹謗中傷コメントを書いた人物を特定するのに非常に長い時間と大きな費用がかかってしまいます。これを迅速かつ簡便に使える制度にしようというのが法改正の目的です。
具体的に変更されるポイントは誹謗中傷コメントを書いた人物を特定するための手続きが簡略化されることです。誹謗中傷コメントの特定はコメントが書き込まれてから時間が経過するほど困難といわれているので、このような手続きの簡略化という手段を取ったのですね。
デメリットはないの?
もちろん今回の法改正はよいことだけではありません。議論されなければいけないのは、表現の自由をどう守るかです。
実は誹謗中傷と判断するのは難しいことで、「しね」とか「クソ」なんかは分かりやすいですが、もし自分とは異なる意見を強い口調で言われたら?誹謗中傷の意図はないのにそう捉えられてしまったら?
こうした誹謗中傷の意図を持たないコメントもこの法律の対象となってしまい、書き込めるコメントが制限されてしまうのでないか。
このような懸念が生じているのです。
インターネットはその匿名性によって世界中の人間が自由に発言できることが何よりのメリットですよね。それではインターネットを実名化して、誰が発言したのか特定しやすくするのはどうでしょうか。時折テレビなどでコメンテーターがこう主張していますね。
本当にインターネットの実名化は効果があるのでしょうか。
インターネット実名化の効果は?
ネット規制としてよく話題に上がるインターネット実名化ですが、実は韓国が導入した経験があるのです。
その制度は「情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律 」というもので、これは情報通信サービス事業者が一定の条件を満たす掲示板等のサービス利用者する人の本人確認を義務付けたものです。(2007年に導入し2012には違憲として廃止されています。)
この制度の導入以降、誹謗中傷コメント数がどのように変化したかを調査した、柳文珠氏の「韓国におけるインターネット実名制の施行と効果」によると制度を導入しても誹謗中傷コメントはの減少という効果は見られないとしています。
もちろん韓国と日本は異なる国ですので、一概にこの結果を鵜呑みにすることはできませんが、少なくともインターネット実名化が今回の問題に対して有効であるとは言えませんね
どんな対策が必要?
誹謗中傷のようないじめについてはネットが生まれる以前から続いてきた問題です。これから先もなくなるとは思えません。
ですが対策を講じることでその件数を減らすことは可能だと思います。そのためには、プロバイダ責任制限法の改正のような「事後対策」だけでなく「事前対策」も重要です。
具体的には、学校や家庭における教育、AI技術を駆使した誹謗中傷コメントを書き込んだ利用者への警告など、現代技術を使った対策も考えられますよね。
しかし、最も重要なのは書き込まれた相手の気持ちを考える能力ではないでしょうか。日本人は良くも悪くも「空気を読む」と言われ、グローバル化の進む近年ではマイナスの意味合いが強くなっている気がします。しかし、この言葉は「相手の気持ちをしっかり考える」という意味もありますよね。コメントを書き込む前に一度、空気を読んでみてはいかがでしょうか。
中国武漢で1000万人検査? 結果は?
本日、中国の武漢で約1000万人の市民に対して新型コロナウイルスの検査を行ったというニュースがありました。
中国の武漢というと新型コロナ発祥の地とされていますが本当にそうなのか。そんなところで検査したら市民のほとんが感染しているんじゃないのか。今回の発表をした目的は?
本日はこうした点を解説していきます。
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武漢市は新型コロナウイルス発祥の地?
今回の新型コロナ騒動が始まった頃、中国の武漢市で第一の感染者が発見されたことから、新型コロナウイルスは中国の武漢市で生まれたとされていましたが、本当にそうなのでしょうか。
Current biologyに掲載されている「Probable Pangolin Origin of SARS-CoV-2 Associated with the COVID-19 Outbreak」という論文によると、新型コロナウイルスはコウモリとセンザンコウという動物を媒介して武漢から広まった可能性が高いとしています。
こうした研究により今では中国の武漢市が新型コロナウイルス発祥の地で間違いないとされているのですが、中国としては国内から広まったウイルスここまで世界的な問題になるなんて、、という気持ちですよね。中国は自分たちは悪くないと示すために、「いやアメリカが中国に持ち込んだんた」と主張し責任逃れるような発言をしていて、いまだにアメリカと中国の口喧嘩が続いている状況です。
感染者がはどれくらいいたの?
今回、武漢市民1000万人を検査した結果、感染者は300人でした。しかし驚くことに発熱などの症状が出ている人は一人もいなかったのです。
武漢市の人口と東京都の人口(930万人)は大体同じであることを考えると、300人という人数は確かに多いのかもしれませんが、新型コロナウイルス発祥の地ということを考えると必ずしも多いとはいえませんね。
症状のある人が0人というは逆に疑ってしまいます。。。
一通り市民全員に感染し終えてしまったのでしょうか。それを調べるために非感染者が免疫をもっているのかどうかも公表してもらいたかったところです。
今回の発表の目的は?
中国が今回の数字を発表した理由としてまず考えられるのが、中国の国民に対して安心感を与えたかったことが考えられます。
中国国内では感染のピークが過ぎたと報道しているため、一番最初に感染者が発見された「武漢では症状が出ている人がいなかったよ」と報道することで「国内は安全なんだよ」と示したかった可能性があります。
もう一つの理由としては世界に中国も対応はしっかりしているということを示したかったのかもしれません。
現在各国から中国に対して新型コロナを拡散させたことによる賠償金の支払いを求めています(実際に支払わせることは難しいようです)。こうした各国が中国に責任を求めるなか、中国は「我々は悪くないんだ、しっかり対応しているんだ」と各国に示すことを目的としているのかもしれません。
以上、みなさんは中国の対応をどう考えますか。症状のある人が0人というのは怪しいですが、収束が迎えられるようなんとか中国にも頑張っていただきたいですね。
【1から分かる!】アメリカがANTIFAをテロ組織に認定? 何が問題なの?
アメリカのトランプ大統領が「ANTIFA(アンティーファ)」をテロ組織として認定するというニュースが報道されましたね。
さて、このANTIFAという集団は何なのか。
なぜ問題になっているのかわかりやすく解説していきます。
ANTIFAってなに?
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「ANTIFA」とは「anti-fascists」の略です。「anti」は反対という意味ですね。ネットでよく見るアンチのことです。
一方、「fascists(ファシスト)」とはファシズム主義の人たちのことです。このファシズム主義とは、色々な意味がありますがここでは権力で国民を支配する独裁のような意味だと思ってください。
つまりANTIFAとは権力で支配しようとする人たちに対して抵抗するという意味になります。
これだけ聞くと、あれ?いい人じゃん。と思うかもしれませんね。さて何が問題なのでしょうか。
何が問題なの?
今回の騒動の発端は、アメリカのミネソタ州で黒人男性が警官に窒息死させられらことです。死亡した男性は無実にも関わらず偽装通貨使用の疑いで声をかけられ、結果的にこのような悲惨な結末となりました。
これを黒人に対する人種差別だとして、事件の起きたミネソタ州だけでなくニューヨークなど各地でデモが発生しました。しかし問題なのが、これが最近過激化しており、放火や暴力にまで拡大していることです。
この騒動に大きく関わっているのがANTIFAというグループであり、そこに目をつけたトランプ大統領は「こんなことをするなんて、テロ組織とみなす!」と発言しました。
(正式に認定されたわけではあません)
これまでにアメリカにテロ組織と認定されたのはアルカイダやイスラム集団など、指導者や構成員がハッキリとわかるグループです。
しかしANTIFAのように構成員や指導者が不明なグループをテロ組織とみなすことは極めて異例だといえます。
放火や暴力などを行使することは確かにデモ行為としては不適切であるといえますが、国が特定の主義を持つ人たちを弾圧していいのか。今回トランプ大統領の発言が批判されている点がそこなのです。
まとめ
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特定の主義や思想、人種を弾圧してすることで成り立っていた国が歴史上いくつもあります。例えばドイツ(ナチス党)。ここでも悲惨な出来事がありましたね。
もちろん、人々や財産に危害を及ぼす行為は不適切な行為とは言えません。しかし、表現の自由を有する人間を弾圧することもまた適切と言い難いですね。グループの定義が難しいANTIFA全員がテロ組織と見なされたら、適切にデモを行う人々はどうなってしまうのか。両者ともにたくさんの意見がありますね。
今回の騒動をきっかけに、表現の自由と安全のためにそれを規制する行為について考えてみませんか。もちろんどちらかが正しいということはないと思います。
次亜塩素酸を加湿器に入れると新型コロナに効くってホント?
追記(6/5)
文部科学省が子どもたちのいる空間で次亜塩素酸水の噴霧をやめるよう通知しました。
新型コロナウイルス対策はしっかりしていますか? マスクの着用や手洗いうがい。
念入りに対策する人はドアノブなどの除菌行う人もいるようですね。
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そんななか、個人だけでなく病院や保育園で「次亜塩素酸水(じあえんそさんすい)」を加湿器に入れて除菌を行う例もあるようです。
今回はこの「次亜塩素酸水」を空気中に噴霧することで本当に効果が得られるのか解説していきます。
次亜塩素酸水ってなに?
次亜塩素酸水とは「次亜塩素酸」というもの主成分にした殺菌料で、日本では食品添加物としても使われています。
塩素という文字がありますがハイターなどとは異なるものです。(ハイターは次亜塩素酸ナトリウムという似て非なる物質です。)
効果はあるの?ないの?
厚生労働省が新型コロナ対策として消毒のために効果があると紹介しているのは「次亜塩素酸ナトリウム」です。ハイターですね。
残念ながら次亜塩素酸水のほうは効果が認められていません。
それでも、この次亜塩素酸水か次亜塩素酸ナトリウムを加湿器入れることにより、なんとなく空気中のコロナやっつけてくれる気がしますよね!科学的に検証されてないだけできっと効くはず!
しかしそうではないんです。
消毒されるためにはウイルスと消毒成分と物質がぶつかり合う必要があります。ハイターを使ってドアノブを拭くことは確かにウイルスと消毒成分がぶつかりあい、消毒されることになります。一方で、加湿器により空気中に噴霧しても空気中という広大な範囲のなかでうまくウイルスぶつかりあうことは難しいと考えられています。例えば湖にボールを2つ浮かべて、波によってうまいことそれらがぶつかるかと言われれば。。。うーんという感じですよね。仮にぶつかっても次亜塩素酸水は新型コロナに有効か確認されていません。
ハイターを加湿器に入れることは絶対にやめくださいね。。
体に害はないの?
次亜塩素酸水も次亜塩素酸ナトリウムも人体には有害な物質です。次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)は手についたら危ないってことで何となくそれが理解できますよね。それと同じく次亜塩素酸水も呼吸器や皮膚に有害なのです。国内でも次亜塩素酸水を噴霧することによって起こった健康被害が報告されています。
ちなみに次亜塩素酸ナトリウムも食品添加物に指定されていますが、次亜塩素酸水とともにわたしたちが口にするときはすでにその成分はなくなっているため、害はないんです。
じゃあどうすれば?
次亜塩素酸水を加湿器に入れても効果がないなどうすればいいんでしょうか。これに関しては今実践している、3密を避ける、マスクの着用、手洗いうがいなどを続けていただければ十分だと思います。新型コロナウイルス対策に目をつけた詐欺まがいの商品があること確かです(濃度の書いていない消毒液など)。こうした混乱のなかでも騙されないよう正しい情報を活用してくださいね。
以上、次亜塩素酸水を加湿器に入れても効果は見込めず、むしろ有害となる可能性があるということをご紹介しました。こういった事例が医師のいる病院だけでなく子どもたちが活動する保育園で行われていたことに非常に驚きました。。。
何となく効きそうだからという安心のために科学的に検証された安全を捨てることはどれだけ危険なのか。今回の記事で一度考えるきっかけになっていただければと思います。